感想のない読書感想文

学生のころの夏休みの宿題として、毎年最後まで残していたもの。

それは、『読書感想文』だった。

毎年毎年、手が付けられない。

課題図書だけは、早めに入手できるのだが。

まあ、買うだけならだれにでもできるわな。

なんやかんやで夏休みも残りわずかとなったころ、重い腰を上げて課題図書を読み始めるのだった。

 

高校の夏休みの宿題のことである。

好きな教科の宿題は7月中に終えていたが、その他教科は8月まで持ち越していた。

当然のことながら、読書感想文も8月組である。

読書感想文は、読書してなんぼの宿題である。

読まなきゃ始まらない。

当時の私は、ページ数の少ない薄い本を選択した。

それがこちら。

 

薄いから、すぐに読み終わるだろう、当時の私はそんな甘い考えで読み始めた。

しかし、なかなか読み終わらない。内容が理解できないのだ。

結局、感想の全くない感想文を書き上げ、提出するに至った。

 

自宅を掃除していたら、当時購入した『老人と海』が出てきた。

さすがに大人になった今なら多少は読めるだろう、根拠もない自信が込み上げてきた。

再び読み始めてみた。やはり、読み終わらない、というか進まない。

結局、途中で読むのをやめ、メルカリに出品することとなった。

 

本は最後まで読まなくてもいいのだ。

これぞ、大人の読書スタイル。